大腸カプセル内視鏡検査について

大腸カプセル内視鏡検査とは

大腸カプセル内視鏡検査

大腸カプセル内視鏡検査

超小型カメラを内蔵した長さ31.5mm×11.6mmのカプセルを口から飲み込む内視鏡検査です。大腸カプセル内視鏡が2014年1月から保険適用になりました。カプセル内視鏡は、水と一緒に飲み込まれたあと、腸管内部を進みながら内蔵の小型カメラで写真を撮影していきます。ポリープの有無の確認などの大腸疾患の診断に使われます。

特徴

カプセル内視鏡の消化管通過による痛みがありません。
麻酔や鎮静剤が不要です。
放射線被ばくの心配がありません。
大腸内視鏡を肛門から挿入しなくてもよいため、「恥ずかしい」「怖い」などの精神的負担がありません。
大腸内視鏡検査が施行困難で、過去に全大腸の検査が受けられなかった方などが保険適用となります。

注意事項

大腸内視鏡検査と同様に、事前に下剤を飲んで大腸をきれいにする必要があります。さらに、大腸カプセル内視鏡を飲んだ後にも、カプセル内視鏡の排出を促すために、追加の下剤を飲む必要があります。
検査時間には個人差があり、3時間から10時間(平均5~6時間)を要します。
ポリープの有無は調べられますが、切除はできません。また生検もできません。病変の疑われる患者さんは、内視鏡で詳しい検査をする必要があります。
腸に狭窄(きょうさく)がある場合には、検査を受けることができません。
誰もが大腸カプセル内視鏡を保険適用で受けられるわけではありません。

メリット デメリット
痛みが無く、麻酔や鎮静剤が不要。 ポリープなどの病変切除や組織採取ができない
「こわい」「恥ずかしい」などの精神的負担がない 前処置の後も検査中も下剤を飲む必要がある
放射線被ばくのリスクが無い 検査時間が長い(3-10 時間で個人差があるが平均5-6 時間)
大腸内視鏡検査が施行困難で、過去に全大腸の検査が受けられなかった方なども検査が行える(この場合は保険適用)

検査の流れ

検査前

医師から検査内容の説明を受けてください。検査説明書、検査同意書を受け取ってください。
検査前日と当日に内服する腸管洗浄用薬剤を受け取ってください。

検査前日

朝・昼・タ
お粥や素うどんなと、消化の良い食事を摂取してください。
21:00頃
処方された下剤を内服してください。

検査当日

絶食してくたさい。
5:00
ニフレック最大2リットルを2時間かけて内服して下さい。(便が透明に近い水になった時点で内服終了)
9:30
病院にお越しいただき、受付を済ませてください。
10:00
センサーとレコーダーを装着し、カプセル内視鏡を適量の水で内服していただきます。
11:00 レコーダ表示1
医師がカプセルの小腸到達を確認したら、ひまし油30mLとニフレック500mLを内服して下さい。
12:00 レコーダ表示2
ひまし油30mLとニフレック500mLを内服してください。 水、お茶、スポーツドリンクなどを多めに飲むように心掛けてください。
17:00
この時間までにカプセルが排出されていれば、回収したカプセルを提出し検査終了です。カプセルが未排出の場合、帰宅していただきます。
22:00
カプセルの排出未排出にかかわらず、センサーとレコーダーを取り外し、検査を終了します。
翌日、センサーとレコーダーを病院へお持ち下さい。カプセルが未排泄の場合は、排泄のための処置を行います。

※上記時間は目安ですので、カプセルの進行状況により大きくずれ込むことがあります。

Q&A

カプセル内視鏡は、どのような場合に用いるのですか?
手術後の癒着などで内視鏡の挿入が難しい方にお勧めしています。また、胃カメラの検査が苦手な方や、どうしても抵抗感を覚える方は、遠慮なくご相談ください。
保険が適用されるのでしょうか?
手術歴があり、医師が必要と認めた場合は適用可能です。単に「通常の内視鏡が嫌だ」というだけでは、自由診療になる場合がございますので、ご了承ください。
カプセル内視鏡を使った胃の検査は可能ですか?
当院ではお受けしていません、大腸,小腸のみとなります。検査時には胃を大きく膨らませますので、小さなカプセルには不向きなためです。
カプセル内視鏡のデメリットは何でしょう?
微細な観察に向いていないことです。また、機材のデメリットとは異なりますが、下剤を飲む量が多いので、患者さんの負担もそれなりに増えます。